11月にもなると黒潮は屋久島から完全に離れ始め、水中の透明度も夏に比べて落ち始める。
綺麗な薄いブルーだった海の色も濃いブルーに変わり、水中は何となく暗い感じの日が多くなってくる。
真っ白い砂地の中層で数千匹の群がりをつくるムレハタタテダイは、そんな暗い海を華やかに演出してくれる魚のひとつだ。
ダイバーが近づいていくと中層で群れていたムレハタタテダイたちは、一斉に白い砂地に点在する岩や構造物に向かって流れるように斜めに舞い降りていく。
みな同じ方向を向き、綺麗に舞い降りていくと暗い海は一気に派手になり、南国っぽい海に早替わりする。
冬が近づく海であることを忘れさせてくれる瞬間だ。
ところがたまにこうした岩や構造物から、かなり離れたところで群れていることがある。
こうした群れに近づくと斜めに舞い降りるのではなく、水底に向かって真っ逆さまに落ちていくのだが、こうなるとムードはまたガラリと変わる。
ムレハタタテダイたちが一斉に天から降る雪のように舞い落ちる光景は幻想的で、美しい。
こんなときは、むしろ多少暗い海の方が雰囲気があって良かったりするのだ。
潜ファンダイビング
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