「魚の喧嘩」というとどんなものを想像するだろうか?
手もなく足もないわけだから、口を使った噛みつきあいを想像する方が多いかもしれない。
しかし、実際は水中で噛みつき合いの喧嘩を見かけることは非常に稀だ。
通常、「魚の喧嘩」といったら最も多いパターンは、自らの体の大きさを相手に誇示して見せる体側誇示が最も多い。
だから、大抵はものの数秒で勝敗は決定する。
より体の大きな者が勝者だからだ。
つまり魚は普段、無駄な体力は使わないし、同じ種類同士で無益な争いはしないものなのだ。
人間よりも賢いのだ。
。。。と、言いたいところだが、たまにどう考えても意味のない、無駄な体力をつかっているとしか思えない喧嘩を見かけることがある。
例えばキンギョハナダイやケラマハナダイの一次オス同士の「噛みつき合い」がそれだ。
その群れで一人前のオスとしてメスとペア産卵を行う二次オスとは違い、一次オスは産卵行動には積極的に関与することなく、おこぼれをもらおうとしたり、間男を演じたりと卑屈な態度で産卵に参加する弱いオスたちだ。
つまり「負け組」。。。
その「負け組」同士が喧嘩したところで、その群れ(社会)には何の影響もない気がするのだが、この噛みつき合いは執拗に長い時間続く。
群れから少し離れた場所で、2匹は何度も何度もひたすら噛みつき合っては、その場でグルグル周っている。
噛みつき合っている最中は必死で周りは見えていないようで、カメラを向けるとレンズにぶつかってくるくらいだ。
いったい、彼らは何が原因で喧嘩になったのだろうか?
ふと群れの方に目をやると「勝ち組」の二次オスたちが、今日も元気にメスたちに声をかけていた。
格差社会がここにも。。。
潜ファンダイビング
すでにダイビングのライセンスをお持ちの方を対象としたガイド・ダイブです。のんびり&まったり型のダイビングをご提供いたします!