毎年5月のGW明けぐらいから、冬季の間はほとんど見られなかったジョーフィッシュたちが水底の小穴から一斉に顔を出し始め、それと共に繁殖期に入っていく。
ジョーフィッシュというのは英名で和名はカエルアマダイ。
その名の通り穴からカエルのような顔をヒョッコリと出し、その愛らしい顔や動きはダイバーの人気の的だ。
この魚はメスが産んだ卵をオスが孵化するまでくわえ続けて育てる事がよく知られている。
しかし屋久島では-10mぐらいまでの水深でごくごく普通に見られる「超」がつくほどの普通種にも関わらず、最初のうちはなかなか卵をくわえたオスに出会えずにいた。
これだけ沢山いる魚なのにナゼ卵をくわえた子に出会えないのか不思議だったのだが、その疑問はひょんな事から解決された。
あるとき、いつものようにジョーフィッシュを観察していると、間違って小石を巣穴の中に落としてしまった。
当然のようにジョーフィッシュは顔を引っ込めるわけだが、次に顔を出した瞬間がビックリ!
何と口いっぱいに卵を頬張っているではないか!
どうも普段は卵を穴の中に置いておき、驚いて危険を感じると口に咥えて出てくるみたいだ。
知らなかった生態。。。
これまで卵をくわえたジョーフィッシュを見たことがなかったのはこれで納得したのだった。
自然にできるだけインパクトを与えないダイビングをする事はとても重要なことで否定する気はまったくないが、ただただ影響を与えないように遠くから見守っていたのでは気づけない生態もあり、その生態を知らないばかりに間違った自然保護を施すことだけは絶対に避けねばならない。
潜ファンダイビング
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